2022年04月号 第83話 区切り
毎年4月が近づくと、何故だか気持ちが前向きになり、新しいことを始めようというエネルギーが湧いてくる。日頃ものぐさな私も、4月になったら、サルコペニアにならないように少し運動してみようかとか、新しいジャンルの料理のレパートリーを増やそうかなど、ちっぽけながら前向きな目標が頭に浮かぶ。春めいた日差しと、膨らんだ蕾を目にしてうきうきしてくる。3月までと違う私になってやると思う。
4月は新年度が始まる区切りの月だ。「年度」をググると、年度とは1月から始まる暦年とは別に、それぞれの目的に合わせて決められた1年の区切りのことを言うようだ。海外では新年度のスタートが9月のことも多い。日本では明治以降に官公庁や学校が4月始まりで年度を決めたらしい。4月は新年度の始まりとして、入学式や入社式が行われ、人生の新しい門出を迎える人も多いと思う。入学式や入社式ほどの大きなイベントでなくても進級や異動など、何かしら新しい環境に身を置く区切りの月である。人が生活する上で、年度という区切りは暦年より身近な区切りであると言える。その上、4月は日本人にとっては特別な花、桜が花開く月でもある。日本に生まれて、桜の咲く4月に新年度という区切りの月を迎えることができるのは幸運なことである。
コロナで自由に外出できないし、世界情勢もよくないし、暗いきもちで毎日ボーっとメリハリなく生活するなんてもったいない。年度初めの4月は、何か新しいことを始めるチャンスです。今までの生活や気持ちに区切りをつけて、心機一転、新しい自分をみつけましょう。
さあ、皆様、張り切ってまいりましょう。
中西佳寿子(おがき耳鼻咽喉科)