2016年10月号 第19話 私とSNS
今から5年ほど前の正月休みにふと思いついてFacebookを始めてみました。いわゆるSNS(Social Networking Service)の一種です。
Wikipediaによるとソーシャル・ネットワーキング・サービスとは、人と人とのつながりを促進・サポートする、「コミュニティ型の会員制のサービス」あるいはそういったサービスを提供するウェブサイトのこと、と定義されるそうです。プロフィール機能(ネット上の自己紹介)、メッセージ送受信機能(つながった人とメールのやりとりができる)、タイムライン(ウォール)機能(自分の投稿を時系列で見れる)、ユーザー検索機能(友達を探せる)、日記(ブログ)機能、アンケート機能、コミュニティ機能(公開・非公開にかかわらずグループを作ることができる)などが一つにパッケージングされているのですが、主には自分の身の回りで起こったことや行った場所、食べたものなどを写真にとりコメントをつけてインターネット上に公開するとそれを見た人がそれに賛同すると「いいね!」っていうサインを送ってくれたり、具体的にいろいろコメントをつけてくれたりして、みんなで盛り上がろうというサービスです。
なぜわざわざ自分のプライバシーを公開するのか?公開して何か不利益はこうむらないのか?といった心配みたいなものもあるにはありましたが、実際はじめて見るとなかなか面白く、自分の投稿に沢山「いいね!」がついたり沢山コメントがもらえて話が盛り上がったりするととてもうれしいものです。
そして何よりうれしかったのが遠い昔に音信不通になってしまっていた友人とまたSNS上でつながり、まるでそんなブランクがなかったかのようにインターネット上で語り合ったり、またあるときは実際に会って一緒に酒を酌み交わしたりできるようになったことです。僕の場合は大学時代に同じバレーボール部に所属していた一つ下の後輩が、就職で地元の信州に帰ってしまい、もう25年くらい音信不通だったのが、フェイスブックを初めて数日目につながり、まるでまた一緒に過ごしているかのようにやり取りができるようになったことでした。そのほかにもソケイヘルニアの手術にたずさわっておられる先生方のコミュニティーに入れていただき、全国の先生方と互いに意見の交換ができるようになったり、社会人になって仕事が忙しくやめてしまっていたギターを再開し、またバンド活動までするようになったのもフェイスブックがきっかけでした。今ではプロのギタリストに習いに行くようになり、大津ジャズフェスティバルで演奏させてもらえるまでになったりでプライベートではすっかりのめりこみ、人生がだいぶ変わったなと実感しています。うちのかみさんは日記代わりに何かイベントがあると子供の写真と一緒にフェイスブックに記事をアップするようにしており、それを時系列で見てみるとまるで我が家のアルバムのようにも使えます。
何を好き好んで自分のプライベートを世間に晒す必要があるか、といったご意見があるのも十分に理解できますし、最近はみなSNS自体に徐々に飽きてきており、初期のころほど投稿する人や、投稿の回数そのものが減ってきているのは実感しておりますが、私にとってはもはやなくてはならないツールですし、次世代にはさらに洗練された形で発展していくものではないかと漠然と考えています。
草津栗東医師会 理事 増山 守(済生会滋賀県病院)