2021年12月号 第81話 ONE TEAM

ONE TEAM覚えていますか?

2019年に開催されたラグビーワルドカップ日本代表のスローガンです。初めての自国開催、史上初のベスト8入りなど列島が熱狂した素晴らしい大会でしたね。私自身も学生時代は楕円球を追いかける毎日で、今大会も仕事の合間を縫って会場まで足を運び、熱狂の渦を体感してきました。一生の思い出です。

流石に今となってはプレイヤーとしてラグビーに参加することはありませんが(医師になってから5年目ぐらいまでは結構な頻度で試合に出ていました!)、現在も中高学生の試合でマッチドクターとして活動しています。

マッチドクターとしてラグビーに関わってみると、プレイヤーの時よりもより深くラグビーの安全面について考えることになります。
ラグビーは見ての通り激しいコンタクトを伴うため、中高生であっても重篤な外傷が発生することがあります。当然ながら医療サポート体制の充実に重点が置かれますが、練習試合も含め全ての試合に医師が立ち会うことは現実的には難しい状況にあります。

そのため監督、コーチだけでなく、保護者の方々も含めて負傷者が出た時の対応について学んでもらう必要がありますが、十分な知識を得る場がないことも問題点として挙げられています。

現在、体育協会が主催するスポーツドクターの講習等で私自身も勉強中です。非常に多くの学びがあり、そこで得た知識を各方面に伝える仕組みを作りあげることが今後の重要な課題だと考えています。

外傷に対する知識が全体で上手く共有できれば、ラグビーの安全性がより高まり、結果としてラグビーの普及にもつながり、さらには2回目のラグビーワールドカップの日本開催につながるのではないかと勝手に妄想しています(笑)。

最近は、私のラグビー部の後輩もマッチドクターとして活動に参加してくれています。プレイヤーだけでなくサポートする側も含めてONE TEAMになり、滋賀県のラグビーを盛り上げていければと思っています。

金井 俊平(南草津あおぞらクリニック)