2015年05月号 第2話 桜の季節に思うこと
春は桜の季節。満開の桜には新学期の学校に向かう小学生の姿が似合います。
私は昭和30年代の生まれです。今は栗東市で開業していますが、兵庫県尼崎市で生まれ育ちました。尼崎は大阪からJRに乗って10分のところにある阪神工業地帯の都市です。私が子供のころの尼崎は人口密度も高く、子供もたくさんいました。私の通っていた小学校にも桜の木がたくさんあり、新学期には桜が満開だったことを思い出します。
現在の尼崎市は人口が減少しています。私の生まれ育った尼崎市の南東部、阪神電車の沿線は特に高齢化が進行しており、子供も減っています。私の通っていた小学校も年々、児童数が減少し、とうとう平成18年に廃校となりました。仕方の無いことですが、自分が通っていた小学校がなくなるのは寂しいことです。小学校は私の実家の近所ですので、実家に帰った時には見に行きます。小学校の跡地は住宅地になり一戸建ての住宅がたくさん建っています。そのなかに校門の一部が残された小さな公園があり、ここにかつて小学校があったことを今に伝えています。
現在の日本は高齢化が進行し、子供の数が減っていますが、草津市、栗東市は珍しく、子供が増えている地域です。今年も桜の花びらが舞い散る中、学校に向かう元気な小学生の姿がみられます。これからも草津市、栗東市の子供たちが減らないように、小学校がなくならないように願います。そして私も医師の立場で協力できればと思います。
桜の花びらが舞い散ると「私の通った小学校はもうなくなってしまったんだなあ」と少し寂しい思いもする季節になります。
草津栗東医師会 副会長 新木 真一(あらき内科クリニック)