2015年04月号 第1話 うつるんです

今年度は12月末から流行が始まり正月に猛威を振るったインフルエンザであったが、昔の教科書によれば「潜伏期は1-3日で、発病は急激で発熱、頭痛、全身倦怠感などの全身症状で始まる」と記載されている。

数年前のことであるが、土曜日から咽頭の違和感(私の風邪の始まりのパターン)があったが熱はなく葛根湯を内服。日曜日は気分よくゴルフに出かけた。その深夜、突然悪寒が出現したので布団を重ねて過ごした。しばらくすれば悪寒はおさまり体が熱くなってきたので、ロキソニンを飲んで再び眠った。起床時には気分は良好であったが、念のため迅速検査をするとなんとインフルエンザAが陽性ではないか!それまでは念のためにワクチン接種もするが、マスクなどしなくてもインフルエンザ感染とは無縁と思っていたのでショックであったが、タミフルを内服し、仕方がないのでマスクをして診療した。その後も、タミフル内服(5回だけ)のみで発熱もなく軽快した。

自分の経験から患者さん(私の場合は成人)の問診をしていると、インフルエンザ(迅速検査陽性)の患者さんは1-2日前から風邪症状が先行している人が多いように思う。いきなり悪寒、筋肉痛、発熱をきたす患者さんはインフルエンザ迅速検査陰性の確率が高いように感じた(絶対でないのが難しいところ)。

草津栗東医師会 会長 樋上雅一(樋上循環器科・内科医院)