2020年01月号 第58話 11歳のチワワ
平均寿命が14歳から18歳と言われているチワワですが、うちの愛犬も11歳となり持病と付き合う生活を送っています。超小型犬であるチワワは、純血種としては世界最小と考えられており愛玩犬として人気があります。大きく黒く丸い目は、涙でうるうるし、丸い頭部には愛嬌を感じます。現在のチワワという犬種の歴史は古く、9世紀頃にメキシコ周辺を支配していたトルテック族が飼育していたテチチという犬が祖先だとされています。
テチチも小型犬でしたが、アメリカでの選択繁殖により現在の超小型犬としての系統が確立されました。チワワは忠実な性格をしており、飼い主へ深い信頼を持ちます。好奇心旺盛で活発に活動し、大きな犬に対しても自分を誇示する姿を見せることがありますが、何分小さな体なので結局は飼い主に抱っこされて番犬としてはもう一つである可愛さがあります。室内犬であるチワワは、家のなかで走り回っているだけでも運動量としては十分ですが、社会性を育てるために適度な散歩に出掛けることが大切です。
チワワに罹りやすい病気がいくつかあり、その一つが水頭症です。11歳のチワワには小さい頃から水頭症が持病としてあり、しばしば足をけいれんさせていますが、散歩にもしっかり出掛けて見知らぬものには威嚇して飼い主を守ろうとします。眼球が突出している大きな目は、眼科疾患に罹りやすくなります。結膜炎になると点眼を必要とすることがありますが、大きな目であるため容易く点眼をさすことができます。最近、11歳のチワワには白内障が進行し始めたため内科的治療をしておりましたが、症状は悪化しているようです。視力が落ちて、毎日の散歩が抱っこでの散歩にならないように祈ります。
11歳のチワワの日々を見ながら癒されて、明日の診療に備えようと思います。
藤澤 大輔(ふじさわ小児クリニック)