2019年10月号 第55話 ラブラドール・レトリバー
6年前の11月にラブラドール・レトリバーの子犬がやってきて、今年9月15日に6歳の誕生日を迎えた。我が家にとっては、白毛柴犬雑種、キャバリアに次いで3匹目となるが、前の2匹は訳あって成犬を引き取って育てたので、子犬から我が家で育ったのは初めてのことだ。
その間にいろんなことが変化した。息子たちが結婚して、家には夫婦二人とハナ子(雌犬)だけの3人家族となり、ワンボックスカーだった車もツーシーターに買い替えた。大学病院を辞めて保健所勤務も6年目となり、毎月のようにあった講演や東京などへの出張、年3回程度の海外出張もなくなり、仕事はほぼ近畿圏内で収まっている。一方では、大学(ベテランになってから)に較べて、保健所では一日のうち自由に使える時間がほとんどない。
夫婦ともにまだ忙しく働いており、ハナ子は日中留守番ばかりだが、一日よく眠れることだろうから、きっと長生きしてくれるだろう。夫婦二人では消費は種類も量も少なくなってきて、食糧、おもちゃ、ベッド、車内用カバーシートなどハナ子のための買い物が目立つようになってきた。朝晩の散歩が面倒だが、私にとっては唯一の運動といった有様である。
犬を飼っていると泊りがけの旅行が制限される。幸いご近所には優しい方が多く、犬仲間にも面倒を見て頂いたりしているが、長期や頻繁にお願いするのはやはり気が引ける。結果、高額なペットシッターをお願いすることもある。最近は、ペット同伴可能なホテルを探して利用するようにしているが、まだまだそのようなホテルは少ない。また、キャンピングカーならハナ子を連れて行けるだろうと思い、一度レンタルしてみようと計画中だが、犬同伴となるとレンタル車は限られるようだ。
ハナ子同伴の家族でのカヌーツーリングが夢だが、モーターボートの免許が妥当だろうか。先週(動物愛護週間)には、セラピードッグの講習にハナ子と連れ立って参加した。我が家の癒しだけでなく、人の役に立つセラピー犬を目指しましょうか。無理かな?
このように書いていくと、なんだかハナ子中心のゆったりした生活のように感じられるかもしれないが、我々夫婦には90歳を過ぎた母親が両方ともにまだ健在(?)でもあり、夫婦ともに仕事が増えるばかりの状況では、まだまだゆっくりとはできない。仕事に疲れた夫婦の茶の間にハナ子が安らぎの空間を与えてくれている。時間を見つけて工夫をしながら、3人家族でアクティブに生活を楽しみたい。
そのうちに孫ができて、人生の楽しみに加わってくれることを期待して。
荒木勇雄(草津保健所)