2018年04月号 第37話 やまのぼらー
平成9年に卒業するまで大学でワンダーフォーゲル部に所属して、山に登っておりました。調べてみると高い山のほとんどは北アルプス、中央アルプス、南アルプスに入っており、1位から100位までの中で登っていないのは1位の富士山だけでした。富士山は眺めるにはいいが登る山じゃないね、と誰かが言っていたのをそのまま鵜呑みにしています。まあ、そのうち登る機会があるかもしれないと思っています。
医者になってからは忙しくなって、呼吸器内科医になってからは常に重症患者さん、終末期の患者さんを抱えるようになって、数える程しか山には登っていませんでした。しかし、滋賀医大に戻ってからしばらくして少し余裕が出来た2015年、滋賀県で登山国体が開催された時に救護ドクターとして参加しないか?とのお誘いを受けて、装備も新たに再び登山に参加することになりました。
5月、7月の試験登山を経て8月の本番を迎えました。と言えば聞こえはいいのですが、最初は足の皮はめくれるわ、爪は内出血して剥がれるわ、筋肉痛で3日は階段が登れなくなるわ、で大変でした。これはイカンということでマンションの階段を荷物代わりに犬をかかえて昇り降りしたり(犬いい迷惑!)筋トレしたりして、何とか8月を迎えました。この年はとても暑く、遠くの県から来ている高校生にはかなりきつかったようです。何人かの高校生が脱水になってリタイアしました。幸い大きなけがはなく、閉会式には全員出席できました。僕もAEDを背負いながら歩いていましたが、訓練の成果もありバテずに最後まで職務を全うできました。
これをきっかけに、ぼちぼちと毎年登山をするようになりました。友人とのんびり歩く山はとても楽しく、また、滋賀にはいい山がたくさんあります。2017年は山の日に休日急病診療所当番が当たってしまいましたが、今年はまた登ろうと思っています。その前に訓練しなきゃ、ですけどね。いつかは富士山を登る日も来るかもしれません。
小熊 哲也(おぐまファミリークリニック)