2017年07月号 第28話 ダンスと健康
ダンスは楽しく踊るものである。子供からお年寄りに至るまで、老若男女の差もなく踊ることが出来る。踊る目的はそれぞれ人によって、健康のため、美容のため、社交的に、競技的に、芸術的追及のために等々いろいろあると思う。然し何れの場合にも楽しく踊ることを忘れてはならない。それは自分のためではなく、パートナーにも楽しさを与え合うように心がけて踊ることが大切である。
私の診療所ではダンスの映像を映している。元気になられた患者様にダンスを勧めるためである。ダンスを勧めた結果、ダンスを始められた患者様が増加し、公民館のサークルでは満足出来ず、ダンス教室で個人レッスンを受ける方まで出てきた。
文部科学省の新学習指導要領によると、平成23年4月から中学校の体育の授業で「ダンスと武道」が男女共修することが決定されている。子供たちの生涯を通じて運動やスポーツを学ぶことが出来るようになり、子供たちにはダンスの楽しさが伝えられるようになることであろう。
少し踊れるようになりパーティに参加出来るようになるとダンスが楽しくなってくる。健康のために始めたダンスのおかげで姿勢が良くなった。ある人は運動不足の解消に役立っている。今ではダンスのない生活は考えられない。パーティではステキなドレスが着られるので楽しい。夫婦のコミュニケーションが良くなり、各自がダンスの話題で楽しく、ダンス友達も大勢出来、今ではダンスは生活の一部となってきたと、うれしい話が聞けるようになってきたことは喜ばしいことである。「ダンスで体を痛めることはない。姿勢を良くして、体に負担をかけないこと、ダンスで体を痛めるとなると踊り方が間違っているのです」と私が初めてダンスを教えていただいた先生の言葉が思い出される。体にとって無理な踊りをすると、今までになかった膝や腰が痛くなったりすることがある。年齢を重ねると筋肉や身体の柔軟性も低下するため、あまり過激な踊りは逆効果である。十分な準備運動をすること、時には自分の踊りを鏡に映してチェックしてみるのもよい。ダンスは体を無理なく動かす過程で楽しみが出てくるものである。年齢相応の踊りを楽しみたいものである。
医学の進歩により、病気になっても加療を受けながら楽しくダンスを続けることが出来る時代となった。楽しいからダンスをする。楽しく踊っているうちに身体が活性化されただけでなく、気持ちが若返ってきた。周囲の人々にも好ましい影響を与えるようになる。最近の患者様の症例を報告します。
ダンスを始めて2年が過ぎて、今ではサークルや地域のダンスパーティにはよく参加している。今では2人で食事をしても共通の話題がないためか、テレビの声だけが聞こえてくる状況であった。退職後どうしょうかと考えていた時、公民館ダンスを受講し、ビデオを見たりしているうちにダンスが出来るようになってきた。食事をしていてもダンスの話題で会話が弾むようになり、日々を楽しく生活していると。
ベッドの上で長生きよりも、ダンスを踊りながら健康で長生きしましょう。
さあ始めましょう、ダンス、ダンス、ダンス。
草津栗東医師会 監事 木村 𣳾治郎(木村診療所)